読書とChristian Brøns

あっという間に11月も過ぎようとしている。
10月頃から、おそらく極度の運動不足とストレスからだと思われるのだが、体調不良が続いていて、お腹を壊したとおもえば、お腹がはってきたり、疲労感が朝から続いていたり、イライラしたり。自分の体調に言われるがままに過ごしていたら、寝たり、ぼ〜っとしたりばかりで、時間を無駄に過ごしてしまった気がした二カ月でした。やはり、一つ二つ目標を立てて、それに向かって過ごす方が、その後の達成感(や失望感)や充実度も違ってくるかもしれない。

そういうわけで、最近は恥ずかしながらあまり習慣のない読書を一つの目標として楽しむことにしました。目的は「読むことを楽しむこと」と「新しい楽しみを見つけること」なので、ベストセラーを読んだり、ビジネス書を読んだり(いかに金持ちになるかを説いた本ばかりが書店にならんでいて、時々辟易してしまう)、あるいは「教養の為」などと見栄を張って難しい本を読んだりするのは厳禁。自分の興味のあること、楽しく読めそうな本を中心に、1週間に1冊以上を読むことが決まり。意外と、「一週間に1冊以上」とルールを決めると、1冊以上読めるものですね。1カ月に5冊…などと目標を掲げても、実現できたためしが一度もないもので(汗)。

今日は、昨日のお昼休みに会社の近くの図書館で借りてきた(もう3年もその会社に通っているのに、その図書館へ行って本を借りよう…と思いついたことがなかったことが本当に不思議)『羊皮紙に眠る文字たち スラヴ言語文化入門』(黒田龍之介著、1998年、現代書館)を読み終えました。本を読むのは時間がかかりますね。そして、このロシア語の先生として有名な黒田先生の本、もうそれはそれは面白かったです。難しい専門的な部分と、それを黒田先生の立場でツッこむ部分と、エッセイ的な部分と、面白いように変化があって、10年以上前に赤点を2度ももらって、文字をうっすらとしか覚えていないロシア語を頼りに、その奥深くに連なるスラブ諸語の世界を読み進めました。ああ、本当に面白そう。こうやって難しそうなものを、楽しそうにやっている方の文章は、楽しさが伝染してきますね。

さて、2004年頃からBryan Rice(ブライアン・リース)をはじめとして、デンマーク出身の歌手の歌を聴くようになって、デンマーク語の辞書やら初心者向けのテキストやらを買いこんだのはいいのですが、買っただけで時は過ぎ、もうすぐ2011年を迎えようとしている。せっかく道具がそろっても空白の時間がこんなにも流れていたとは。そして、その一つの原因が(もちろん私のデンマーク語に対するやる気のなさが大きいのですが)、彼らがデンマーク語ではなくて、外国人に対しても、歌そのものも英語を使ってくれる、というところにあるのではないかと思うのです。Bryan Riceはもともと英語の歌を歌っていて、その『No Promises』という曲をイギリスのTVオーディション番組で鮮烈なデビューを果たしたShayne Ward(シェイン・ワード)という歌手がカバーしたことでその存在を知ったのですが、シェイン・ワードのデビュー後ほどなくして、ブライアン・リースのオフィシャルサイトにもデンマーク語版とほぼ内容を同じにした英語版が登場して、デンマーク語を知らなくても、英語でなんとか彼の情報を知ることができるようになってしまったのです。

それから、もう一人。Christina Undejam(クリスティーナ・ウンヤム)さんというそれはそれは美しい声をもった女性シンガーさんの存在。彼女を知ったのは、Blue(ブルー、英国出身の4人組ボーカルグループ)の日本公演の前座で一緒にやってきたDerek McDonald(デリック・マクドナルド)というスコットランド出身のシンガーさんのアルバムでデュエットしていた彼女の声にすっかり一目惚れ。彼女のオフィシャルサイトやオフィシャル掲示板をのぞいては、彼女宛てにラブレター(笑)なるものをつたない英語で送っていたら、ご本人から丁寧にも素敵な英語で返信があったりして、やはり英語があればなんとかなったのです。(私の英語力は中学生以外ですが、単語だけでも雰囲気は伝わってくるしね、と良い訳。)

そんな風で、デンマーク語の必要性が薄れて、そのままになっていたところ、今年、それも今月に入って、「デンマーク語で歌を歌っている歌手の歌を聴こう!」とYouTubeデンマークの音楽サイトを探していたら、デンマーク出身(おそらくコペンハーゲン出身?)のChristian Brøns(クリスチャン・ブルンスと読む?)というシンガーさんに一目ぼれ。う〜ん、見た目につられたわけじゃないから、一聴きボレとでも言いましょうか。しかし、彼のオフィシャルサイトはもちろん、ちょっとした情報を探そうとインターネット中を探しても、日本語はおろか英語の情報もほとんどなく、デンマーク語をなんとか読めないと分からないという状況になってしまったのです。(「デンマーク語で歌を歌っている」という条件を付けたのだから、それは当然でしょうが。)

というわけで、よし、これはデンマーク語と仲良くなるいい機会かもしれない!と思ったのはいいのですが、これがまたデンマーク語をどう始めたらいいのか、途方に暮れそうです。

取り急ぎ、『デンマーク語のしくみ』(鈴木雅子著、2009年、白水社)についていたCDの吹き込みを聴きながら、音を真似している段階です。この発音がこれまたわけがわからない。最初に普通の早さで、2回目はゆっくりと単語ごとに男性が読み上げてくれるのだが、これがまた難しい。

以前古本で手に入れた『語学王 デンマーク語』(荒川明久著、2000年、三修社)は、今買えばCD付のようですが、私はCD別売版だったので、テキストしか手元にないので、どうも音とセットにしないと覚えられそうにないので、本棚の飾りになってしまっています。

その他に、こちらも古本で手に入れた『エクスプレス デンマーク語』(横山民司著、1988年初版・1989年第2刷、白水社)も手元にあるが、やはりカセットテープは別売りで、もっておらず、どんな発音でしゃべるのかが分からない言葉をマスターするのは非常に難しい。(だったらカセットテープを手に入れればよいのに…という言葉が返ってきそう。)

そして、最近になって本屋さんで『自習デンマーク語文法』(山野辺五十鈴編著、昭和61年、大学書林)を購入。検印に「山野辺」(辺はつぶれていて読めないけれど、旧漢字?)とあり。もしかして著者の先生の印鑑だったのでしょうか?それはともかく、文法書みたいで、読み物としては難しくて眠くなってしまうので、巻末の索引から逆引き辞典として使用中。

基礎を身につけたいけれど、どうしてよいのやら。テキスト通りに進もうとするとやる気がなくなるし。というわけで、Christian BrønsのオフィシャルサイトやFacebookの解読をちょっとずつしています。まぁ、とにかく空白の時間を作らないことがひとまず第一の目標にします。それから、『デンマーク語のしくみ』のCDに出てくるフレーズをまずは言えて、覚えること。今年いっぱいの目標はまずそれにします。


さて、彼のCDをデータではなくて、CDとして買ってみたいのだが、うまく買えるのだろうか?送料も高く付きそうだし、サイトが読めない。う〜ん、どうしたものか。(少なくとも、下記のショップではデンマークノルウェーフィンランドスウェーデン、そしてEU諸国、それも一部制限あり、それ以外の国からの購入は出来ないそうだ。なんだか難しいなぁ。)
http://cdon.dk/musik/christian_br%C3%B8ns/det_l%C3%B8ser_sig-11586275